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睡眠相後退症候群

睡眠相後退症候群

仕事や勉強、テレビやゲームなどで夜遅くまで起きていることが続くと、体内時計が普段より遅れた状態で調整されてそのまま固定されてしまいます。
人間の体内時計は25時間サイクルなので、夜更かしが続くと体内時計は簡単に後ろへずれやすいんです。
ずれた体内時計を正常な状態に戻すことが困難になると、活動しなければいけない時間帯に体内時計は睡眠時間になっているという事も出てきてしまい、日常生活に支障が出てきます。
この疾患は、学生や若い社会人などに多く見られる傾向があります。


睡眠相後退症候群とは

不眠とは違う睡眠障害

夜更かし・朝寝坊のリズムで体内時計がセットされている睡眠障害で、”概日リズム睡眠障害”とも呼ばれています。
毎日の生活習慣の中で、この時間までに眠りたいという時間には眠ることができず、そのため、起きなければいけない時間に目覚めることができません。
しかし、休日や起きる時間が普段より遅くても良い日には、必要な睡眠時間が経過した後自然と覚醒し、すっきりと目覚めることができます。
つまり、体内時計が他の人より送れた状態でセットされて、狂ったまま24時間のリズムを刻んでしまっているのです。

原因

体内時計を正常な状態に戻すことが難しくなってしまう病理的な原因ははっきりしていませんが、身体の中にいくつも存在している体内時計を同調させる機能が正常に働いていないことが原因と考えられています。
パソコンやテレビなど体内時計のリズムを狂わせてしまう強い光を夜遅い時間まで浴びていたり、知らないうちに毎日かなりの量のカフェインを摂取していたり、太陽の光を浴びることの無い生活が長い、など、体内時計の調節機能を阻害する総素が多い生活習慣を送っていることが要因になっているとも考えられます。

症状と特徴

主な症状

正常な人の場合、夏休みなどの長期休暇の間に少しずつ体内時計が遅れてしまっても、数日早寝早起きをすることで体内時計を修正することができます。
しかし、睡眠相後退症候群と診断される人は、体内時計が送れた状態が2週間〜1ヶ月以上も続き、修正しようとしても修正できません。
また、起きなければいけない時間に無理に早起きしても体内時計は夜のままなので、頭がボーっとしたり集中力が続きません。
また、次第に朝起きることができなくなり学校や会社を遅刻・欠席するといった状態に綯ってしまう事もあります。

睡眠不足になるのは…

体内時計のリズムが後ろへズレた状態になっていると、朝起きるのは辛いし、日中眠気を感じるし、と睡眠不足状態になりがちです。
しかし、睡眠相後退症候群は夜間眠れない”不眠症”ではありませんので、睡眠導入剤や睡眠薬など眠気を誘うクスリでは改善することができません。
また、日中の眠気を追い払おうと珈琲や栄養ドリンクなどカフェインを多く含んでいるものを飲んでいるとメラトニンの分泌が乱れてしまい体内時計が正常に戻りにくくなります。

治療・対策方法

生活習慣の改善

自分でできる対策としては、生活習慣の改善による時間療法が有効です。
特に、眠くなるタイマーが後ろへずれていますから、早く眠るための工夫と朝起きた時に太陽の光をしっかりと浴びる習慣をつけます。
例えば、眠くなるための工夫として、食事は目標とする就寝時間の3時間前までに済ませる、入浴は目標時間の1時間〜30分前までに済ませる、就寝30分前から部屋の明かりを落としてリラックスするなどがあります。
また、目標起床時間にはカーテンを開けて太陽の光を部屋に取り込む工夫もおすすめです。

高照度光療法

毎日決まった朝の時間帯に太陽の光と同じ効果のある光を照射することで、メラトニンタイマーをリセットさせ、体内時計を早送りして調整する方法です。
専門の病院などで行われる治療方法で、眠りのパターンやリズムを日誌などで書き留めて起きます。こうして眠りの状態を把握し、きちんと決められた期間続けることが必要です。
また、眠気を催すメラトニンの分泌量や働きが低下している場合には、メラトニンやギャバ、ビタミン剤などといったくすりを併用する事もあります。
これらの治療で症状が改善されても、休日に夜更かししないように生活習慣を見直す事も大切です。